ラーメンの麺の種類|太さ・加水率・縮れの3つでご当地が分かれる

中華料理

「博多は極細低加水」「喜多方は多加水の手もみ」——ラーメンの麺はこう説明されますが、それが食べたときの何に効くのかまで書かれていることは少ないです。

麺は太さ・加水率・形状の3つで決まります。そしてこの3つは独立ではなく、互いを補い合う関係にあります。

3つの軸

何を決めるか
太さ(番手)スープを持ち上げる量、噛みごたえ
加水率のび方と、スープの絡み方
形状(縮れ)加水率で失った絡みを取り戻す

軸1・太さ=番手:数字が大きいほど細い

番手はここが最もよく誤解されます。

30mm の麺帯から何本の麺を取るか が番手。 30本取れば1mm、10本取れば3mm。数字が大きいほど細い。

「20番」より「28番」のほうが細い、ということです。太さの数値ではなく分割数なので直感と逆になります。

★地域の傾向として、北へ行くほど太く、南へ行くほど細いと言われます。ただしこれは傾向であって法則ではありません。

軸2・加水率:スープとの関係を決める

小麦粉に対する水の割合です。ここが麺の性格をいちばん決めます。

低加水多加水
食感歯切れがよい。小麦の味が立つつるつる・もちもち
スープを吸いやすい吸いにくい
のびやすさのびやすいのびにくい
絡みよく絡む絡みにくい

「よく絡む」と「のびやすい」は同じことの表と裏です。低加水の麺は水を吸う余地が残っているので、スープを吸って味をまとう——同時に、吸い続けるからのびます。

博多ラーメンの替え玉は、この性質への対処として理解できます。極細低加水の麺は早くのびるので、少量ずつ供して追加するほうが理にかなっています。

軸3・形状:縮れは絡みを補う装置

多加水麺には困った点があります。のびにくい代わりに、スープが絡みません。

そこで縮れが出てきます。麺を波打たせて表面積と引っかかりを増やし、加水率で失った絡みを形で取り戻すわけです。

  • 喜多方は多加水の手もみ縮れ麺。もっちりした食感を保ちつつ、縮れでスープを拾う
  • ストレート麺は絡みを麺の表面に頼るので、低加水と組むことが多い

3軸は独立していません。 加水率を上げる → 絡みが落ちる → 縮れで補う、という因果の連鎖になっています。

ご当地の麺はこの3軸の組み合わせ

地域太さ加水率形状スープとの関係
博多極細低加水ストレート豚骨を吸わせる。のびる前に食べ切る
喜多方太め多加水手もみ縮れあっさりスープを縮れで拾う
札幌中太多加水縮れ味噌の濃度に負けない

麺の作り方そのもの(かんすいの働き、加水率の調整、こね・伸ばし)は中華麺の作り方にあります。

麺料理の中でのラーメンの立ち位置:スープに麺を合わせる麺

パスタと並べると、同じ発想の別解であることが分かります。

パスタラーメン
合わせる相手ソーススープ
何を動かして合わせるか(断面・表面・長さ)加水率と縮れ
相手の性質絡ませる(量は少ない)浸る(量が多い)

パスタはソースを絡ませるので形で勝負します。ラーメンは麺がスープに浸るので、吸うか吸わないか=加水率が主戦場になります。相手の量が違うと、動かす変数も変わるわけです。

まとめ

  • ラーメンの麺は太さ・加水率・形状の3軸。ただし独立ではなく因果で繋がっています
  • 番手は数字が大きいほど細い。分割数なので直感と逆です
  • 「よく絡む」と「のびやすい」は同じことの表と裏。低加水は吸う余地があるからどちらも起きます
  • 縮れは、多加水で失った絡みを形で取り戻す装置です
  • パスタがをソースに合わせるのに対し、ラーメンは加水率と縮れをスープに合わせます